Sunday, March 25, 2007

シープドッグ事始

さて、ファームには羊を追わせてみたいんだけど・・・という問い合わせがあります。基本的には天候と羊の体調が良ければいつでもどうぞ、です。で も、いき なり初めて羊を見て、その場でこーしてあーして・・・あーーーーー!とか言ってる間に羊と人間がバテテしまいます。なので、羊追いってこんな感じなの よ・・・ってなところを書いておきたいと思います。今さら、、、というか、最初から書いとけよ!という突っ込みはナシでお願いします(笑)。

と りあえず、犬が羊に興味を示して、追いかけたら逃げるから楽しいかも・・・というところまで持っていきます。初めからぶっ飛んで追っかけてハンド ラーの言うことに聞く耳なんてありません、というのもアリ(笑)。でも、たいがいは初めて出会うでかい動物が怖いから、近寄るのやめとこ、という感じで す。そう いうときは一緒になって追いかけてやると、自然に楽しくなってくるんでしょうね。いつの間にか自分から追うようになるのでそれでOK。やっぱり怖い、追い たくないという犬もそれでよし。またの機会にやってみようね、で終わらせてやりましょう。慎重な犬ってのもいるもんです。

追うことができたら、次に何をするか。よく聞く言葉ですが、「バランス」を教えます。これは、羊を挟んでハンドラーの対角線上に犬を止まらせること・・・ではありません。た とえ、「止まれ」のコマンドにひじょーに忠実な犬であっても、さらには「右」「左」がちゃんと理解できていたとしても、最初は声をかけずにやります。「バ ランス」は生き物それぞれが持っている感覚だから、ハンドラーの決めた位置を押し付けるわけにはいかないのです。しかも、相手も生き物だから微妙にでも動 いているわけで、絶対その場所!!なんてことはあり得ないのですね。そして、犬を止めることばかりに力を入れると、追ってはいけないんだ、と理解してしま う犬もいますし、羊を見ないように努力しちゃうこともありますので注意。「バランス」を教えるとは、犬と一緒に羊を逃がさないようにまとめながら、ハンド ラーの思う方向へ誘導する位置に犬を回り込ませる、ということです。

追いかけ(まわし)たい!と思った犬は、羊が固まってるとつまらない から動かそうとぐるぐる周りを回ったり、噛み付いたり、なんとか羊にプレッシャーを与えようとします。最初はハンドラーなんか無視して止まらない犬もいる でしょうけど、それもOK。犬たちに先手を取らせないように、羊の鼻先は人間の位置、犬たちは羊の後ろから押す位置に入るように、人間がひたすら動きます (笑)。犬が人間の位置に入ろうとしたら「違うよ!」という感じで声をかけます。ひと りで追い掛け回しても目的がなくて埒が明かないし、どうも人間がやりたいことと違うようだ、ということがだんだんわかってくれば、人間と一緒に仕事をす る、というルールがわかってきます。このバランスの練習時間がとってもかかる犬とすんなり共同作業を理解しちゃう犬がいますが、とにかくここが一番大事です。んでまあ、これができたら基本はもうほとんど終わりみたいなもんだと私は思っています。

では、もう少し「バランス」を詳しく・・・は、またあとで(笑)。

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